中期事業運営方針

2018年3月期~2020年度3月期

当社は、部品事業者として品質、納期、価格で
ご満足をいただくことはもちろん、単なる下請けメーカーではなく、
お客様の課題を顕在化し解決できる積極的提案型企業を目指しています。そのために、市場との対話力、研究開発力、購買・生産技術力を向上させ、
市場からみた魅力ある商品を提供していきます。

事業戦略

「スマート」をテーマに、既存市場の掘り下げを実施します。
これにより長期的成長を目指します。また、顧客のグローバル展開にあわせ海外事業を拡大します。
これらを有効に進めるためにM&Aによる規模の拡大を目指します。

「スマート」をテーマに、既存市場の掘り下げ

当社は自動車および弱電市場が既存の主要顧客ですが、この市場の深耕を実施します。 これら市場の顧客の経営環境は大きく変化しています。グローバル規模のコスト競争はもとより、特に自動車においてはマルチマテリアル化や電動化、IoTやAIへの対応など、自動車や弱電という従来の産業のカテゴリーを根本的に見直さなければならないような技術対応が求められています。 ここでのキーワードはスマート化であり、これを中心に既存顧客の新たな市場展開と発展が生まれていくと考えています。 当社におきましては、将来スマート化がより進展し、ロボテクやサービスロボットなど次世代成長産業の担い手となるとも考えられる自動車および弱電市場に、今のうちからより一層集中し、深耕していきます。このことで、市場の現在の技術的課題を把握でき、将来のスマート化に向けた魅力ある商品の開発や提供が実現し、長期的な成長につながると考えています。

セグメント別戦略

ねじ、ボルトの製造販売を主とするヤマシナにおきましては、歴史に裏打ちされた豊富なノウハウと実績を基にファスナーエンジニアリングを実施し、差別化された高付加価値製品の開発を行います。また工場のIoT化などに投資を行い生産性をあげる事で、更なる原価低減を行います。 精密ばねの製造販売を主とするラドヴィックにおきましては、すでにカメラなどの精密機器市場から自動車市場に提案の方向を変換しております。特に、クランプなどの実績ある製品を自動車市場に展開してまいります。 ハーネス、ケーブルの製造販売を主とする三陽工業は、電気制御化が進展する自動車とその市場進出をねらう電機メーカーを中心に、市場浸透を行います。

海外事業の拡大

特にタイのビジネスを拡大します。同国はインドも含めた東南アジア圏市場へのハブとして、タイで生産し輸出する自動車メーカーなどの当社顧客も多く、日本と同様の品質・供給体制を求められます。これらニーズに応えるため、当社子会社であるYamashina Bangkok Fastening Co.,Ltd.およびLadvik Thailand Co.,Ltd.の品質の保証と工場増設を含めた生産規模の拡大を目指して参ります。またこれにより、本国である日本の当社顧客とのリレーションの確保と向上というシナジーも見込まれます。

M&Aによる規模の拡大

収益性と利益率の向上は当然のこととして、海外展開、新技術対応、規模の経済効果による生産性向上、などで強みを発揮できるシナジーあるM&Aを基本方針に機動的に実施します。

長期的成長の視点

目標とする市場は、安全を最重視する市場であり、新規開発品に対する検証を十分実施したうえで量産採用を行います。特に自動車市場においては新技術の紹介からおおよそ5年以上の評価期間が必要になります。しかし、一度採用されると長期にわたり利用される市場です。 当中期事業運営方針では、アルアーマナットなどの最新技術の寄与分は織り込んでおりませんが、長期的な成長のために、当期間において大手自動車メーカーを中心に十分な認知活動を実施し、将来の収益基盤の確保を目指します。