樹脂用タッピンファスナー
シグマPT (Σ PT)
相手材が樹脂用のスレッドフォーミングスクューです。雄ねじにほぼ隙間なく密着する雌ねじを成形します。このことで雌ねじ強度が向上し高い軸力が得られ、摩擦による対ゆるみ性能も向上します。雌ねじがしっかり形成されることにより、繰り返し利用性も良好です。
主な用途
- インサートナットをなくし、直接樹脂材の下穴にねじこみ、総コスト低減をしたい。
- タッピン締結であっても高い軸力と対ゆるみ性が必要な締結に。
- 高速回転でねじ込みを行い生産性を上げたいときに。
- GF-40等の硬い樹脂への利用に。
- 締結のロボット化(自動化)に。
製品の特長
雌ねじが雄ねじに密着するよう計算された締結構造
高いねじ山と低いねじ山を持つ二条ねじの構造です。樹脂を塑性変形し形成された雌ねじが、高いねじ山の谷部にある低いねじ山に接触し隙間なく雄ねじに密着するようあらかじめ計算された締結構造です。
充分に形成された強い雌ねじ
従来品のように、形成された雌ねじに空洞や隙間の発生が少なく、強い雌ねじを形成します。
高い軸力と引抜強度、対ゆるみ性能
従来品より高い軸力とねじの抜け強度、及び対ゆるみ性能が得られます。ねじ込みトルクと破壊トルク比も大きく余裕ある締結が可能です。
高い繰り返し性能
しっかりした雌ねじが形成されることから、従来品を超えた繰り返し利用性を持ちます。
締結生産性の向上
二条ねじの作用により傾かずまっすぐ入ります。これは高回転でのねじ込みにも効果を発揮し生産性の向上が実現します。
Σ 求められるすべての性能に
当社が長年培った樹脂用タッピンスクリューに関する締結ノウハウの「総和(Σ)」で世界に貢献します。
性能試験データ
低いねじ山の効果・形成された雌ねじの様子
左の写真は適正下穴にシグマPTを、右の写真は低いねじ山のない従来品を模したねじをねじ込んだ様子です。従来品は雌ねじに隙間(→)ができていますがシグマPTは計算された低いねじ山が雌ねじの隙間に密着している様子が確認できます。
トルク・軸力・対ゆるみ性
下の表は開発品(シグマPT)と従来品三種を比較したものです(ねじ4×8,相手材PPS-GF40)。左の表がねじ込み破断試験、右が締付けゆるめ試験の結果です。ねじ込み破断試験ではシグマPTの破断時トルク(TB赤)と破断時軸力(CL黄)が高いことがわかります。締付けゆるめ試験でも緩めトルク(TL緑)は高い結果となっています。