2010/12/15 | ねじの強度
ねじの強度
ねじ一本の力
ねじの頭部に「4.8」「10.9」など数字が付けられていることは”ねじの強さ(強度区分)”のところで述べましたが、
その強度規格は下表の通りです。
ここで、最小引張強さ、降伏点・耐力で使用されている数値(N/mm2)はどのようなことでしょうか
図に示すように1mm2(単位面積)にかかる力を表しています。
すなわち、作用した力(F)を作用全面積(S)で割れば引張強さ(σ)が得られます。
では、一本のねじが支えることが出来る力は“最小引張強さ”に“ねじの面積(有効断面積)”を掛ければ得ることが出来ます。
ねじの有効断面積はメートル並目ねじの場合、下表の通りです。
それでは 呼び径 M3 (径が3mm)の小ネジで 強度区分 4.6 の場合 どれ位の力(荷重)を掛けても破断しないでしょうか
強度区分 4.6 の 最小引張強さ(σ)は 400N/mm2
呼び径 M3 の 有効断面積は(S)は 5.03mm2
から 400X5.03=2,012N の力を掛けても破断しません。
ですから(1Kgf=9.8Nから) 205Kgfの荷重に耐えることになります。
体重が 60Kgfの人が静かに揺らさずに3人ぶら下がっても大丈夫ですが、70Kgfの人が3人ぶら下がればヤバイかも !!
(最小引張強さなので 2,012N以上)
一度計算してみて下さい
1. 強度区分 8.9 呼び径 M6 の場合
2. 強度区分 10.9 呼び径 M8 の場合
強度区分で 鉄で焼入の無い場合は 一般的に「4.6」「4.8」
鉄で焼入を行った場合は 一般的に 「8.8」「10.9」などが使用されます。