2012/05/28 | 材料
ねじ用材料③
ねじ用材料③
炭素鋼
前回に炭素鋼の概要について説明をしましたが、
炭素鋼のねじ用材料に限って説明しましょう。
ねじ用材料の製法による違い
・溶鉱炉に鉄鉱石とコークス、石灰石などを炉中に入れ、
炉に熱風(約2000゚C)を吹き込み銑鉄を作ります。
・鋼を造るのには、銑鉄、クズ鉄(スクラップ)、鉄鉱石、石灰石
などと一緒にして製鋼炉(主流は転炉)で溶かします。
・製鋼によって溶けた鋼(溶鋼)を鋳型に流し込みインゴット(鋼塊)
を造ります。この時の脱酸の程度により、キルド鋼、セミキルド
鋼、リムド鋼の3種類に分けられます。
1) キルド鋼(Killed Steel 鎮静鋼)
Si(シリコン)やAl(アルミニュウム)で十分脱酸して造られた鋼
頭部の引けや収縮部は切捨てる為に歩留りは悪いが、品質は
均一でリムド鋼よりも良く、高級な部材として用いられる。
(キルド鋼は十分な脱酸を行うことから、酸素やガスが十分に
抜けて>死んだように静まりかえる)
a) シリコンキルド鋼
シリコン(Si)で脱酸したキルド鋼
b)アルミキルド鋼
アルミニウム(Al)で脱酸したキルド鋼
2) リムド鋼(Rimmed Steel 縁つき鋼)
フェロマンガン(マンガン鉄)により軽く脱酸した状態。
脱酸状態が低いため内部にガスを含み、不純物の多い状態で凝固しているため、
キルド鋼に比べ、内部品質が劣る。