ねじ職人コラム

Screw Craftsman Column

品質管理

2011/06/01 | 品質管理
ねじの品質管理②(十字穴検査)

ねじの品質管理②   
  Ⅱ. 十字穴部の検査  JISB1012、JISB1111
十字穴付ねじの品質は、締結の作業性から次ぎのことが上げられます。 
1. 十字穴とドライバー(ビット)の食い付きが良好なこと   
     作業時、ネジがドライバーに確実に食い付くことにより楽な締結作業が出来、
     ドライバーの寿命も向上します。(ドライバーの先端を磁化して使用される
     こともありますが、ステンレスでは出来ません)
     時には、食い付きが良過ぎてネジとドライバーが離れず、ドライバーに
     締付け製品ごと持ち上げる逆効果が生じる場合が有りますので要注意です。
     
2. 十字穴とドライバー(ビット)との勘合が良いこと  
     十字穴とドライバーにガタツキがないこと
     ガタツキなどが有れば締め付け時にカムアウト(ドライバーが浮き上がる現象)
     が生じ、締め付け作業に支障が生じ、ドライバー寿命が急激に減少します。
     勿論、ドライバーが磨耗していれば、同様の現象が生じます。 
 
以上の内容を総じて、締め付け作業性から 
  十字穴の食い付きが良好で、勘合が良好なこと、更に出来るだけ十字穴の深さ(Q)が
  深いことです (十字穴深さには限度があり、余りにも深ければ首元での強度が減少し
  破断が生じるので重要な注意点です)。
   ※備考 十字穴とネジの芯がズレていれば当然作業性は悪くなります。

 十字穴の大きさは通常多く使用されているものでは、3種類有ります。
                      十字2
    (昨年5月に”十字穴の種類”で紹介いたしました)

ドライバー
のように、大きさの順の番号が付けられています。
今回使用しているねじは 呼び径が M6 ですから、規格表の番号3の十字穴が
該当します。
 
測定方法  
十字穴深さ(Q)  
測定器のダイヤルゲージ先端に十字穴No3のゲージを取り付けて、
                  (A部の詳細写真)
Qポイント
そのゲージでの十字穴沈み深さをダイヤルゲージにて読み取ります。
Qゲージ
十字穴とゲージとの食い付き 
十字穴は十字穴とドライバーが食い付くことが特徴として上げられます。
十字穴とドライバーの食い付きの検査方法は、写真のゲージを使用します。

食付きゲージ
十字穴番号に適合するゲージをネジの十字穴に押し込み、水平の位置から垂直の位置に
回転させ、ネジが自重によって脱落しないかを調べる。
(ねじ長さLがねじの呼び径の7倍以上のものには適用しない)

クイツキ
食い付き
十字穴とゲージとの勘合  
適合するゲージを十字穴に押し込み、十字穴とゲージの間でガタが無いか調べる。 
   (この規格はJISには無く、当社の社内検査規格です)

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