ねじ職人コラム

Screw Craftsman Column

品質管理

2012/02/17 | 品質管理
ねじの品質管理⑫(めっき膜厚)

ねじの品質管理⑫  
   めっき膜厚測定 
表面処理の説明から
めっき膜厚が錆発生に至るまでに重要な役割を果たしていることが
お解かり頂いたでしょうか、
ですから、ねじの品質管理として、めっき膜厚測定が上げられます。
測定方法には、ねじを破壊(溶解、切断)して測定する方法、非破壊によるものが
有り、数種類の測定方法が有ります。それぞれに特徴、一長一短があり、ねじの
形状や簡便、用途、精度などにより選定されます。

(1)顕微鏡断面試験方法  
めっき(試料)の垂直断面を顕微鏡で観察し、めっき厚さ計測の基本的な試験
(多少の熟練が必要、試料作製に時間を要する)
  (写真による記録が残せる)
顕微鏡写真
(2)滴下式(ドロップ式)試験方法
腐食性溶液を試料(ねじ表面)に滴下し、めっきが溶解するに要した時間によりめっき膜
の厚さを求める試験
(精度に問題があり、現在はあまり使用されていない)

(装置は簡単) 滴下試験
3)蛍光X線式試験方法
試料(ねじ)にX線を照射し、発生した蛍光X線量を測定し、めっき厚さを求める試験。  
  蛍光X線装置
(微小部品や測定の厚み・面も広い範囲で選択が可能で利点が多い)
(4)電解式試験方法
試料(ねじ)を陽極とし、測定箇所を小容器で押さえ、めっき剥離液を注入し、定電流で
溶解し、溶解に要した時間からめっき厚を求める試験。

(小物、複雑な形状箇所の測定は不可 : 液の保持が困難)
(JISH8501より) 電解式
その他に 電磁式、渦電流式、β線式などいろいろとあります。
それぞれ特徴があり、その利点を選択し測定します。

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