ねじ職人コラム

Screw Craftsman Column

熱処理

2013/01/15 | 熱処理
熱処理③

熱処理③
浸炭焼入
めねじを成形したり、下穴を孔けたりするねじとして、タッピンねじ、ドリリングタッピンねじ、
ドリルねじが有り、その目的の為に、ねじ山を硬くする必要が有り、また、ねじとしての機能
(強度、耐摩耗性、耐疲労性、耐衝撃性等)も同時に必要です。
タッピンねじは表面は硬く、内部が軟らかい物を必要とし、内部にあまり焼きの入らない低炭
素鋼のSWCH12A~SWCH22Aを用い、焼入を施すことにより表面を硬化させる目的で
行います。

浸炭焼入(表面硬化)の種類
(1)固体浸炭(品質のバラツキが大)
(2)液体浸炭(正確だが少量向、使用する青酸カリ、ソーダが猛毒)
(3)ガス浸炭(正確で量産向)
(4)浸炭窒化
などが上げられ、その他に表面硬化として窒化処理等いろいろ有ります。
タッピンねじ等では安価なガス浸炭が最も多く使用されています。

ガス浸炭炉
ガス浸炭焼入の装置としては、調質焼入と同じですが、加熱炉内において、浸炭雰囲気の
ゾーンを作り、その雰囲気内を通過する時にねじに浸炭作用が行われるしくみです。
同時に加熱炉において、ねじが設定温度に加熱され焼入槽にて焼入れられ、硬さが供わり
ます。

更に、機械的性質を整える為に、戻し炉にて焼戻しが行われます。
焼戻温度は高硬度が必要な場合は250゚C前後、一般的には350~400゚C前後が使用さ
れるが、焼戻しによる脆性温度に特に注意する必要が有ります。

浸炭温度

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