ねじ職人コラム

Screw Craftsman Column

転造

2010/10/13 | 転造
ねじ山成形金型②

ねじ山成形金型②  
更に、ねじ山成形に使用される金型について紹介致します。
 1)先端を尖らせる、ねじの長物、ねじ山の2条
A型
 2)先端テーパー、ピッチが細かい
CIMG7191_20101013130645.jpg
 3)頭部に縦溝(ローレットつまみねじ)ピッチが細かい
CIMG7571.jpg
 4)頭部に縦溝(ローレットつまみねじ)ピッチが粗い
CIMG7576.jpg
 5)一般的に使用される 小ねじ M4X0.7
小ねじM4X0.7
 6)特殊ねじ山 (鋸歯形状)
CIMG7574.jpg
 7)軸部に溝入れ
CIMG7573.jpg
以上、代表的なねじ山成形金型(平ダイス)を紹介いたしました。
お解りいただけましたでしょうか、まだまだ有りますが、今回はこれぐらいにしまた機会があれば紹介したいと思います。

2010/09/21 | 転造
ねじ山成形金型①

ねじ山成形金型①(ダイプレート)
ねじ山を成形に使用する機械(転造盤)で使用する金型について紹介致します。
通常、平ダイス式転造盤で使用される金型を“ダイプレート”と呼びます。
前々回の「ねじ転造工程」で紹介しましたように、平ダイス式転造は固定側と移動側の2枚の
ダイプレートにより、ブランク(ねじ下)を必要な圧力で押し付けながら転がることによってブランクを
変形させて表面にねじ山を成形させます。
下図にダイプレートの例を示します。
HLDie
このダイプレートによる加工されるねじ山は
HLねじ
ではブランクが転がりながらどの様に成形されているのか
sts.jpg
STS2.jpg
一回転毎に序々に成形されて行く様子が見えます。

2010/08/21 | 転造
転造盤

転造盤
ねじ山を成形するに必要な機械 ”転造盤” について紹介致します。
転造盤
[この機械はねじ転造の大量生産方式で最も多く使われている平ダイス式の転造盤です。]
ねじのブランク(ねじ下)はパーツフィーダー部で整列されシュートレールへ首吊り状態(ねじの頭がシュートレール上に並んだ状態)で供給され、下図の拡大部(加工部)へ挿入されます。

拡大部分
  転造盤拡大
シュートレール上を流れて来たねじブランクは突き出し板により、1本づつブランクガイドを通りダイプレート(ダイス:金型)へ挿入され、固定側ダイスと移動側ダイスの間を転がりながら移動しねじ山が成形されます。
移動側ダイスが上下(又は左右)に1往復する毎に1本のねじブランクにねじ山が成形され,ねじの形として完成します。

概略として φ2mm~φ4mm の製品では 1分間に 150本~400本
        φ5mm~φ8mm の製品では   1分間に 80本~200本
       φ10mm~φ24mm の製品では 1分間に 30本~150本  程度の加工が可能です (太さ、形状、長さにより変わります)

2010/07/27 | 転造
ねじ転造

ねじ転造工程
 次のねじを作る第二工程は”ねじ転造工程”で、頭部圧造工程で造られたブランク(通称:ねじ下)にねじ山を成形させます。
この工程でねじの原形が出来上がります。
 今回はねじ転造の概略について若干説明致します。
ねじ山を成形するには、古くはねじ山を1本づつ切削バイトで加工していたが、多量に使用する時代に入り、ブランクが回転しながら特殊な圧延加工を行う「転造」が開発されました。
切削加工
「ねじ転造」は冷間塑性変形により山を盛り上げてねじ山を成形します。
最も一般的なねじ転造方法は「平ダイス式」が使用されます。
平ダイス式は固定側と移動側の2枚一組のダイプレートを呼ばれる金型を使用し、この金型の間をブランクが2枚のダイプレートにより必要な圧力で押し付けられながら転がることによってブランクの表面にねじ山を成形させます。無題転造
転造加工の利点(切削加工との比較)
・ファイバーフローの切断がなく、連続していることから、引張強さが高い   (ファイバーフロー:繊維状金属組織)
・塑性加工による成形であることから、材料屑が発生しなく歩留まりが高い
・                       表面が硬くなっている(加工硬化)
・ねじ精度の均一性が保たれる
・生産性が高い
などが上げられます。

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